Webデザインの副業案件を初めて受注すると、「最初に何を確認すればよい?」「どのタイミングで初稿を出すの?」と、仕事の進め方に迷うことがあります。
案件を受注できたら、すぐに制作を始めるのではなく、納品物、作業範囲、納期、修正回数などを確認することが大切です。条件が曖昧なまま進めると、途中で作業が増えたり、完成イメージに認識の違いが生じたりする可能性があります。
本業を続けながら取り組む場合は、制作時間だけでなく、打ち合わせ、連絡、修正に必要な時間も考えて予定を立てなければなりません。
この記事では、Webデザイン副業の初案件を受注してから、ヒアリング、制作、初稿提出、修正、納品までの流れと注意点を解説します。
まだ応募する案件を探している方は、先に「Webデザイン副業の案件はどこで探す?未経験者向けの探し方と応募のポイント」を確認してみてください。
Webデザイン副業の初案件|受注から納品までの流れ
Webデザイン案件の内容や契約方法によって細かな手順は異なりますが、一般的には次のような流れで進みます。
1.仕事内容と条件を確認する
2.ヒアリングを行い、必要な素材を受け取る
3.スケジュールを決めて制作する
4.初稿を提出する
5.修正して最終確認を受ける
6.指定された形式で納品する
7.支払いと実績公開の可否を確認する
初めての案件では、デザイン制作そのものに意識が向きやすくなります。しかし、クライアントとの確認や進捗の共有も仕事の一部です。
分からないことを推測で進めず、必要なタイミングで確認しながら完成を目指しましょう。
スクール卒業後に何から準備すればよいか迷っている方は、「Webデザインスクール卒業後に仕事は取れる?副業案件につなげるために必要な準備」も参考にしてください。
制作を始める前に確認すること
案件への採用や依頼が決まっても、条件を確認する前に作業を始めるのは避けましょう。
クラウドソーシングを利用する場合は、契約や仮払いなど、サービスが定める手続きが完了しているかも確認します。
直接契約の場合も、口頭だけで済ませず、仕事内容や報酬をメッセージや書面で確認できる状態にしておくことが大切です。
納品物と作業範囲
最初に、何を制作して、どの状態で納品するのかを確認します。
たとえば、バナー制作の場合でも、サイズや点数、掲載場所、画像や文章の支給状況によって作業量が変わります。
Webサイト制作では、デザインだけを担当するのか、コーディングや公開作業まで含まれるのかを明確にしましょう。
確認したい内容の例は次のとおりです。
・制作するものと点数
・サイズやページ数
・使用目的と掲載場所
・対応する作業範囲
・納品するファイル形式
・編集可能な制作データを含むか
・文章や画像は誰が用意するか
自分が担当する範囲と、クライアント側が担当する範囲を分けておくと、途中で作業が増えることを防ぎやすくなります。
納期と途中確認の日程
最終的な納品日だけでなく、初稿を提出する日や、修正内容を確認する日も決めます。
納品日まで時間があるように見えても、素材の受け取りやクライアントからの返信に時間がかかる場合があります。
本業がある方は、平日の作業時間が限られることも考え、余裕を持った日程を提案しましょう。
「初稿は○日まで」「修正内容は○日までに確認」「最終納品は○日」と分けておくと、お互いに予定を把握しやすくなります。
修正回数と追加作業
基本の報酬に含まれる修正回数と、どこまでを修正として扱うかを確認します。
文字や色の変更と、デザイン全体の作り直しでは、必要な作業時間が大きく異なります。
制作途中でサイズや点数が増える、当初とは異なるデザインを追加するなどの場合は、追加作業に当たる可能性があります。
当初の範囲を超える依頼があったときは、そのまま作業を進めず、納期や報酬を含めて相談しましょう。
報酬と支払い方法
報酬額、支払い方法、支払時期を確認します。
クラウドソーシングでは、仮払い、納品、検収などの手順がサービスごとに定められています。最新の利用規約や取引の流れを確認し、必要な手続きが完了してから制作を始めましょう。
直接契約では、振込日、振込手数料、請求書の必要性なども確認します。
フリーランスへの業務委託には、契約内容によってフリーランス法などが関係する場合があります。詳しい条件について不明な点がある場合は、公正取引委員会のフリーランスに関する案内などの公式情報を確認してください。
連絡方法と返信時間
メール、チャット、クラウドソーシング内のメッセージなど、連絡に使う方法を決めます。
平日昼間に返信できない場合は、「平日は午後7時以降に確認します」「通常は24時間以内に返信します」など、対応できる時間を伝えておきましょう。
いつでも返信できるように見せるより、守れる範囲を事前に共有するほうが、本業と両立しやすくなります。
急ぎの連絡が必要な場合に、どの方法を使うかも確認しておくと安心です。
ヒアリングと素材受け取りの進め方
条件を確認したら、制作に必要な情報と素材を集めます。
クライアントが求めるものを理解するためには、「どのようなデザインが好きですか」と聞くだけでなく、制作物の目的や使用する場面を確認することが大切です。
制作目的と対象者を確認する
まず、制作物を何のために使うのかを確認します。
同じバナーでも、商品の購入を促すもの、イベントへの参加を案内するもの、認知を広げるものでは、目立たせる情報が変わります。
確認したい内容の例は次のとおりです。
・制作物の目的
・見る人や利用する人
・最も伝えたい内容
・掲載する場所
・希望する印象
・避けたい色や表現
目的と対象者が分かると、デザインの方向性を考えやすくなります。
サイズ・掲載場所・希望イメージを確認する
画像の縦横サイズ、Webサイトの表示幅、スマートフォン対応の有無など、制作物の仕様を確認します。
参考にしたいWebサイトや画像がある場合は、URLや資料を共有してもらいましょう。
参考デザインをそのまま再現するのではなく、「色合い」「余白」「写真の雰囲気」など、どの部分を参考にしたいのかを確認することが重要です。
希望イメージだけでなく、使用してはいけない色や表現、ブランドのルールがあるかも確認します。
文章・写真・ロゴなどの支給素材を確認する
制作に使用する文章、写真、イラスト、ロゴなどを、誰が用意するのか確認します。
素材がそろっていない状態で制作を始めると、後から文章量や画像が変わり、レイアウトを作り直すことがあります。
支給される素材については、使用許可や利用条件が確認されているものか、クライアント側に確認しましょう。
有料素材を使用する場合は、購入費用を誰が負担するのかも事前に相談します。
不明点を残したまま制作を始めない
初案件では、「何度も質問すると印象が悪いかもしれない」と考えてしまうことがあります。
しかし、分からないまま推測で進めると、完成後に大きな修正が必要になる可能性があります。
質問は一つずつ何度も送るのではなく、確認したい内容をまとめて送ると、クライアントも回答しやすくなります。
確認した内容は、自分用のメモだけでなく、相手と共有できるメッセージにも残しておきましょう。
本業と両立できる制作スケジュールの立て方
初案件では、実際の制作時間だけでなく、情報整理や連絡にも時間がかかります。
学習中の自主制作と異なり、クライアントからの確認や修正を待つ時間も発生します。
納期から逆算して予定を決める
最終納品日から逆算し、ヒアリング、制作、初稿、修正、最終確認の日程を決めます。
たとえば、納品日の前日まで制作する予定では、修正が入ったときに対応できません。
本業の残業や急な予定も考え、何も作業を入れない予備日を用意しておくと安心です。
クライアントから素材が届く予定日や、確認の返信をもらう期限も予定に含めましょう。
修正期間を含めて余裕を持たせる
初稿を提出したあと、修正が一度も発生しないとは限りません。
修正内容を確認し、再提出して最終確認を受ける時間を確保します。
初案件では、自分が予想した時間より作業が長くなることがあります。慣れるまでは、短い納期を基準にせず、無理なく対応できる期間を提案しましょう。
進捗を途中で共有する
納期まで連絡せず、完成品だけを提出すると、方向性が違っていた場合に大きな作り直しが必要になります。
案件の内容によっては、レイアウトやデザインの方向性を途中で共有し、認識が合っているか確認する方法があります。
ただし、確認回数を増やしすぎると進行が遅れるため、どの段階で確認を受けるか事前に決めておきましょう。
「構成確認」「デザイン方向の確認」「初稿提出」など、確認の目的を明確にします。
遅れそうなときは早めに相談する
予定どおりに進まない可能性が出た場合は、納期直前まで待たずに相談します。
現在どこまで進んでいるか、何が原因で遅れているか、いつ提出できる見込みかを伝えましょう。
本業が忙しくなったことだけを伝えるのではなく、今後の対応予定も一緒に案内することが大切です。
対応できない日程になった場合は、自己判断で納期を変更せず、クライアントと相談してください。
初稿提出と修正対応のポイント
初稿は、クライアントがデザインの方向性を確認するためのものです。
提出するときはファイルだけを送らず、確認してほしい点や、デザインで意識したことも簡潔に伝えましょう。
制作意図と確認してほしい点を添える
初稿を提出するときは、どのような目的でレイアウトや色を選んだのかを説明します。
長い説明は必要ありませんが、「最も伝えたい内容が目に入りやすいよう配置しました」など、判断の理由を添えると確認してもらいやすくなります。
また、文章や画像など、仮の素材を使用している部分があれば明記します。
どこまで完成していて、何を確認してほしいのかを分けて伝えましょう。
修正内容をまとめて確認する
修正依頼を受けたら、内容を整理してから作業を始めます。
指示の意味が複数に受け取れる場合は、推測せず確認しましょう。
複数の担当者から別々に修正依頼が届く案件では、内容が重複したり、指示が異なったりする可能性があります。
誰の確認をもって修正内容を確定するのか、クライアント側でまとめてもらえるかを相談する方法もあります。
当初の範囲を超える変更はそのまま進めない
初稿提出後に、サイズや制作点数の追加、別のデザイン案の作成などを求められる場合があります。
軽微な修正なのか、追加作業に当たるのかを確認しましょう。
当初の条件を超える作業の場合は、追加報酬や納期の変更について相談します。
判断が難しい場合は、「基本の作業範囲には○○まで含まれています。今回の変更は追加作業になるため、納期と費用をご相談させてください」と整理して伝えます。
変更した条件をメッセージに残す
追加作業や納期変更について合意した場合は、内容をメッセージなどで確認できる状態にします。
口頭の打ち合わせで決まった内容も、終了後に要点をまとめて送ると認識違いを防ぎやすくなります。
厚生労働省の自営型テレワークに関するガイドラインでも、契約条件を変更する場合は、変更内容を文書や電子メールなどで確認することが案内されています。
法律や契約について不明な点がある場合は、自己判断だけで断定せず、契約内容や利用サービスの規約、最新の公式情報を確認してください。
納品前に確認したいチェックリスト
修正が完了したら、クライアントへ最終確認を依頼します。
承認を受けたあと、指定された方法で納品します。
納品前には、次の内容を確認しましょう。
・誤字や脱字がないか
・画像や文章の抜けがないか
・指定されたサイズになっているか
・ファイル形式が合っているか
・Webページのリンクが正しく動くか
・パソコンとスマートフォンで表示を確認したか
・編集可能な制作データを含む契約か
・不要な素材や個人情報が残っていないか
・ファイル名が分かりやすいか
・クライアントから最終承認を受けたか
制作物によって必要な確認項目は異なります。最初に確認した納品条件と照らし合わせながらチェックしましょう。
指定されたファイル形式で納品する
JPG、PNG、PDFなど、指定された形式で書き出します。
編集可能な制作データを渡す契約の場合は、使用したフォントや画像の扱いにも注意が必要です。
納品するファイルが複数ある場合は、フォルダに整理し、内容が分かる名前を付けます。
ファイル共有サービスを使う場合は、閲覧期限やパスワードの有無も確認しましょう。
納品方法とメッセージを確認する
クラウドソーシングを利用している場合は、サービス上の納品手順に従います。
外部のメッセージでファイルを送っただけでは、サービス上で納品が完了していない場合があります。
納品時には、納品物の一覧、確認してほしい内容、ダウンロード期限などを簡潔に伝えます。
クライアントから検収や受領の連絡が届いたかも確認しましょう。
制作データをすぐに削除しない
納品直後に制作データを削除すると、ファイルの再送や軽微な確認が必要になったときに対応できません。
契約内容や使用したサービスのルールを確認し、必要な期間は制作データと連絡記録を保存しておきましょう。
クライアントから受け取った素材には、個人情報や公開前の情報が含まれる場合があります。保存場所や取り扱いにも注意が必要です。
納品後に行うこと
納品して終わりではなく、支払い、実績公開、今回の振り返りまで確認します。
次の仕事へつなげるためにも、初案件で分かったことを整理しておきましょう。
支払い手続きが完了したか確認する
クラウドソーシングでは、納品後に検収や報酬確定の手続きが必要になる場合があります。
直接契約では、請求書の提出時期や振込予定日を確認します。
支払いが確認できない場合は、すぐに決めつけず、合意した支払日やサービス上の状況を確認してから問い合わせましょう。
利用しているサービスによって手続きが異なるため、最新の利用規約やヘルプを確認してください。
実績として公開できるか確認する
制作したものをポートフォリオに掲載したい場合は、クライアントの許可を得ます。
確認したい内容は、公開の可否だけではありません。
・いつから公開できるか
・会社名や商品名を掲載できるか
・制作物全体を掲載できるか
・担当した作業範囲を説明できるか
・数値や依頼内容を掲載できるか
公開できない案件もあるため、許可を得る前に自分のサイトやSNSへ掲載しないようにしましょう。
ポートフォリオへの実績追加については、「Webデザイン副業のポートフォリオは何を載せる?未経験者向けの作り方と注意点」でも詳しく解説しています。
制作データとやり取りを保存する
最終データ、納品したファイル、契約条件、修正内容、納品日などを整理します。
後から確認できるように、案件ごとにフォルダを分けて保存すると管理しやすくなります。
ただし、クライアントから削除を求められているデータや、保存期間が決められている情報は、その条件に従いましょう。
作業時間と改善点を振り返る
案件が終わったら、どの作業にどのくらい時間がかかったかを振り返ります。
制作だけでなく、ヒアリング、連絡、修正、納品準備にかかった時間も記録しましょう。
見積もった時間との差を確認すると、次回の納期や作業量を判断する材料になります。
うまくできたこと、確認が足りなかったこと、次回から使えるチェック項目を残しておくことも大切です。
働きながら初案件を進めるときの注意点
仕事を続けながら副業案件に取り組む場合は、本業や生活に影響しない進め方が必要です。
初案件では予想より時間がかかる可能性があるため、予定を詰め込みすぎないようにしましょう。
連絡可能時間を事前に伝える
平日昼間に返信できない場合は、契約前に伝えます。
連絡できる時間と、おおよその返信期限を共有しておくと、クライアントも予定を立てやすくなります。
本業中に無理に返信し続けるのではなく、自分が守れる対応時間を決めましょう。
最初から複数案件を抱えない
初案件では、制作以外の確認や修正にも時間がかかります。
同時に複数案件を受けると、初稿や納期が重なり、対応が難しくなる可能性があります。
まずは一つの案件を受注から納品まで経験し、自分に必要な作業時間を確認しましょう。
短納期を安易に引き受けない
短納期の案件は、本業の残業や体調不良などが起きたときに調整しにくくなります。
納期に間に合うかだけでなく、修正期間まで確保できるかを考えて判断してください。
依頼を断ることを避けるために無理な日程を受けるより、対応可能な日程を正直に伝えることが大切です。
継続依頼は作業量を確認して判断する
初案件の納品後に、継続依頼を提案されることがあります。
継続案件は新しく仕事を探す負担を減らせる場合がありますが、毎月の点数や納期、打ち合わせ回数を確認せずに引き受けるのは避けましょう。
今回の作業時間を振り返り、本業と無理なく両立できる量かを判断します。
条件が変わる場合は、報酬や作業範囲も改めて確認してください。
まとめ|確認と共有を重ねながら初案件を進めよう
Webデザイン副業の初案件では、制作を始める前に、納品物、作業範囲、納期、修正回数、報酬、連絡方法を確認します。
制作中も、分からないことを推測で進めず、必要なタイミングで確認と進捗共有を行いましょう。
初稿提出後に作業範囲を超える変更があった場合は、そのまま対応せず、追加作業や納期について相談することが大切です。
納品前にはファイル形式や表示を確認し、納品後は支払い手続き、実績公開の可否、制作データの保存について確認します。
本業がある方は、連絡可能時間を事前に伝え、最初から複数案件や短納期案件を抱えないようにしましょう。
一つの案件を受注から納品まで経験し、作業時間や改善点を振り返ることが、次の案件を無理なく進めるための準備になります。

