Webデザインの副業を始めたいと思っても、「今のパソコンで学べる?」「最初から高いパソコンを買う必要がある?」と迷う方は少なくありません。
必要な性能は、作りたいものや使用するソフトによって変わります。パソコンの価格や購入した年だけでは、学習に使えるか判断できません。
まずは使うソフトと制作内容を決め、今のパソコンの仕様を公式要件と照らし合わせましょう。対応する環境で実際に制作してみると、どの作業で困るかも確認できます。
この記事では、副業を目指す未経験者に向けて、パソコンの性能を見るポイント、主要ソフトの公式要件、今のPCを確認する手順、スクール受講や買い替えの前に確かめたい条件を解説します。
副業を始める全体の流れは、「未経験からWebデザイン副業を始めるには?必要なスキルと始め方」で整理しています。
Webデザイン副業のパソコンは、使うソフトと制作内容から考える
Webデザインを学ぶ人全員に、同じパソコンが必要なわけではありません。
告知バナーを作る場合、Webページのデザインを作る場合、コーディングまで行う場合では、使うソフトや作業の組み合わせが変わります。
購入を検討する前に、何を学び、何を制作するかを整理しましょう。
1.最初に取り組む制作物と、指定されるツールを決める
例えば、次のように考えられます。
- バナー制作:画像編集に使うソフトと、納品するファイル形式を確認する
- Webページのデザイン:画面設計に使うソフトや、共有方法を確認する
- コーディング:コードを書くソフト、表示確認用のブラウザ、必要な開発環境を確認する
- スクール受講:カリキュラムで指定されるソフトと、オンライン授業の環境を確認する
学習中は好きなツールを使えても、仕事では編集可能なデータや指定ツールでの納品を求められることがあります。
「今のパソコンでCanvaを使えるから、すべてのWebデザイン案件に対応できる」とは判断できません。応募したい仕事で使うツールまで確認しましょう。
ツールと仕事内容の関係は、「Webデザイン副業はCanvaだけでできる?Photoshopが必要な案件の見分け方」で解説しています。
2.WindowsかMacかは、ソフトと受講条件に合わせて選ぶ
Photoshop、Illustrator、Figma、Visual Studio Codeには、WindowsとMacで利用できる環境があります。ただし、対応するOSのバージョンやCPUなどの条件は、それぞれ異なります。
そのため、「Webデザインなら必ずMacが必要」「Windowsなら何でも使える」と決めず、利用するソフトの要件を確認してください。
スクールでは、推奨するOSや、授業で説明する操作環境が決まっている場合があります。
自分のパソコンを使えるか、異なるOSでも質問対応を受けられるかを、申込み前に確かめておきましょう。
また、同じWindowsでも、Intel・AMD・ARMなどCPUの種類が異なります。購入候補と、使用するソフト・関連ツールの対応条件を照らし合わせることが必要です。
必要スペックを確認するときに見る、パソコンの主な項目
パソコンの商品ページには多くの数字が並びますが、最初はメモリ、CPU、GPU、ストレージ、画面を分けて確認すると整理しやすくなります。
| 確認項目 | 主な役割・確認すること |
|---|---|
| メモリ(RAM) | 作業中のデータを扱う領域。複数のソフトを使うときも確認する |
| CPU | 処理を担当する部品。正式な型番と、ソフトの対応条件を確認する |
| GPU | 画像や画面の描画などに関わる部品。必要な機能や対応条件を確認する |
| ストレージ | ソフトや制作データの保存先。種類・総容量・空き容量を確認する |
| 画面 | 解像度や表示の大きさ。制作画面と教材を見ながら作業できるか確認する |
メモリとストレージは、どちらもGBで表示されますが、役割が違います。
「保存容量が大きいから、メモリも十分」とは判断できないため、別々に確認してください。
1.メモリは、ソフト単体と同時作業の両方から考える
メモリは、使用するソフトの最小要件と推奨要件を確認します。
最小要件を満たしていても、教材動画、ブラウザ、デザインソフト、オンライン通話を同時に使ったときの動作まで保証されるわけではありません。
働きながら学ぶ場合は、教材を見ながら制作するなど、実際の学習で行う組み合わせを考えましょう。
新しく購入する場合も、「メモリの数字が大きければよい」と決めず、使うソフトの推奨要件と予算を基準に比較します。
購入後にメモリを増やせるかは機種によって異なるため、増設を予定している場合はメーカーの仕様を確認してください。
2.CPU・GPUは、名称だけで判断しない
CPUは、「Core i5」「Core i7」などの名称だけでなく、世代や正式な型番も確認します。
中古パソコンでは、同じシリーズ名でも発売時期が異なるため、商品説明の大きな名称だけで選ばないようにしましょう。
GPUについては、専用のグラフィックカードがあるかだけでなく、使うソフトが求める機能に対応しているかが重要です。
必要な条件はソフトや機能によって異なります。分からない場合は、使用予定のソフトとバージョンを伝え、メーカーや販売店に確認してください。
動画編集や3D制作も行う場合は、それらのソフトの要件を追加で調べます。Webデザインの学習環境を確認しただけで、別の制作にも十分とは判断できません。
3.ストレージの空き容量と、画面の使いやすさを確認する
ストレージは、ソフトをインストールする容量に加えて、制作画像、編集データ、教材、バックアップなどを考えます。
「512GB搭載」などの総容量と、今使える空き容量は別です。既存のパソコンでは、空き容量を確認してください。
外付けストレージへ保存データを移せても、それだけで本体のメモリやCPUの性能が変わるわけではありません。困っている原因に合わせて考えましょう。
画面については、ソフトの必要解像度に加えて、文字や操作パネルを無理なく見られるかも確認します。
小さな画面で教材と制作画面を行き来するのが難しい場合は、外部モニターを使う方法もあります。接続端子や対応解像度などを確認してから検討してください。
Photoshop・Illustrator・Figma・コード編集ソフトの公式要件
以下は、2026年10月に確認した公式情報の一部です。
必要な条件をすべて載せた表ではありません。実際に使用するソフトのバージョン、OS、CPU、GPU、空き容量などは、リンク先の公式ページで確認してください。
1.デザインソフトは、最小要件と推奨要件を分けて読む
PhotoshopとIllustratorの公式ページには、メモリの最小条件と推奨条件が示されています。
Figmaは、対応ブラウザやグラフィック機能なども確認する必要があります。ブラウザで使うソフトだから、どのパソコンでも同じように動くとは限りません。
| ソフト | 公式情報で確認した内容 | あわせて確認すること |
|---|---|---|
| Photoshop | 27.x以降の要件では、RAMは最小8GB・推奨16GB以上 | 対応OS、CPU、GPU、空き容量、使用する機能 |
| Illustrator | 30.0以降の要件では、RAMは8GB以上・16GB以上を推奨 | 対応OS、CPU、GPU機能、画面解像度 |
| Figma | 対応ブラウザ、OS、WebGLなどの条件を案内 | ブラウザ版かデスクトップ版か、ファイル規模、同時作業 |
| Visual Studio Code | ソフト自体の推奨値として、1.6GHz以上のCPU・RAM 1GBを案内 | 対応OS、拡張機能、ブラウザ、追加の開発環境 |
出典:
- Adobe「Photoshop デスクトップ版の技術要件」
- Adobe「Illustrator デスクトップ版の技術要件」
- Figma「Figmaを利用するためのシステム要件」
- Visual Studio Code「Requirements for Visual Studio Code」(英語)
PhotoshopとIllustratorを使うために新しく購入する場合は、公式の推奨値であるメモリ16GB以上を、比較の出発点にできます。
ただし、16GBあればすべての制作が快適にできるという意味ではありません。扱うデータや同時に使うソフトに合わせて判断しましょう。
既存の8GBのパソコンについても、メモリの数字だけで使える・使えないとは決められません。ほかの要件と実際の動作を確認してください。
2.コーディングは、エディター以外の環境も含めて考える
Visual Studio Codeの推奨値は、コードを書くソフト自体についてのものです。
RAM 1GBという数字を、Webデザイン副業に使うパソコン全体の必要メモリと考えないようにしてください。
コーディングでは、ブラウザで表示を確認したり、画像を編集したり、教材を開いたりすることがあります。学習内容によっては、追加の開発環境も必要です。
まずは、学ぶ範囲がHTML・CSSの基礎なのか、WordPressの構築やほかの開発環境まで含むのかを確認しましょう。
仕事別のコーディングの必要性は、「Webデザイン副業にコーディングは必要?仕事別の違いと学ぶ順番」で解説しています。
今のパソコンで始められるか確認する手順
既にパソコンを持っている場合は、仕様の確認、公式要件との比較、実際の制作という順で進めます。
「購入してから数年たっている」という理由だけで、すぐに買い替える必要があるとは限りません。
1.OS・CPU・メモリ・空き容量を調べる
Windowsでは、「設定」→「システム」→「バージョン情報」で、プロセッサ、搭載RAM、Windowsのバージョンなどを確認できます。
空き容量は、「設定」→「システム」→「記憶域」で確認します。
参考:Microsoft「Windows デバイスに関する情報を検索する」
Macでは、アップルメニューの「このMacについて」から基本情報を確認できます。詳しい情報は、「システム設定」→「一般」→「情報」や、システムレポートで確認します。
ストレージについては、情報画面の「ストレージ設定」などから確認してください。表示や項目名はOSのバージョンによって異なる場合があります。
確認した情報は、次のようにメモしておくと、受講相談や購入相談で伝えやすくなります。
- メーカー・機種名
- OSの種類とバージョン
- CPUまたはチップの正式名称
- メモリ容量
- ストレージの空き容量
- GPUの情報
- 使用予定のソフトとバージョン
ソフトが対応するOSかどうかと、OSメーカーがサポートしているかどうかは、別の確認項目です。両方を確かめましょう。
2.実際の練習作業で、編集・保存・書き出しを試す
公式要件を確認したら、利用できる環境で、実際に行いたい練習作業を試します。
ソフトの起動だけでなく、制作から保存まで確認してください。
例えば、バナーの練習なら、次の作業が考えられます。
- 想定するサイズの制作データを開く
- 写真と文字を配置する
- 文字や画像の位置を変更する
- 編集可能なデータを保存する
- PNGやJPEGなど、必要な形式で書き出す
- 保存したデータをもう一度開く
教材動画やオンライン授業を併用する予定があるなら、その状態でも作業できるか確認します。
動作が重い場合は、「画像を動かすとき」「保存するとき」「オンライン通話中」など、困る場面を記録しましょう。
ネット接続、ブラウザ、空き容量、ソフトの設定などが関係している場合もあるため、すぐにパソコン全体の性能不足と決めず、公式のトラブル対処やサポートで原因を確認してください。
練習する制作物が決まっていない方は、「Webデザインの練習は何を作る?副業向けの制作課題3つ」を参考にしてください。
パソコンを購入する前に確認したい受講条件と総費用
今のパソコンでは対応できない条件がある場合や、作業に支障が続く場合は、買い替えを検討します。
その前に、何の条件を満たすために購入するのかを明確にしましょう。
1.スクールには、手持ちのPCを使えるか具体的に聞く
スクールを検討している場合は、調べた仕様を伝え、希望するコースの条件を確認します。
次のように聞くと、確認したい内容が伝わりやすくなります。
「Windowsのパソコンを持っています。OSは〇〇、CPUは〇〇、メモリは〇GB、空き容量は〇GBです。このコースで使用するソフトと課題制作に使えますか?」
あわせて、次の項目も確認してください。
- 必須ソフトと使用するバージョン
- Windows・Macのどちらに対応しているか
- 教材や質問対応で扱う操作環境
- オンライン授業中に制作ソフトを同時に使うか
- 教室のPCや貸出PCを利用できるか
- 自宅で課題を進めるために必要な環境
- ソフト代が受講料に含まれるか
- 購入が必要な場合、いつまでに用意するか
教室のパソコンを使える場合でも、自宅での復習や課題制作に別の環境が必要かを確かめましょう。
スクール全体の確認項目は、「副業向けWebデザインスクールの選び方|働く女性が確認したい7つのポイント」で整理しています。
相談時に使える質問は、「Webデザインスクールの無料相談で何を聞く?副業を目指す人向けの質問と確認ポイント」も参考にしてください。
2.本体価格に加えて、ソフト代と周辺機器を含める
予算を考えるときは、パソコン本体の価格だけでなく、必要な費用をまとめます。
- パソコン本体
- 使用するソフトの利用料
- 必要に応じたマウスや外部モニター
- モニター接続用のケーブルや変換機器
- 制作データの保存・バックアップ環境
- 必要に応じた修理保証やサポート
すべてを最初から購入する必要はありません。現在持っているものを使えるか、学習に必須か、後から追加できるかを分けて考えましょう。
ソフトの契約では、料金に加えて、契約期間、更新、解約条件、スクール提供のライセンスを使える期間などを確認します。
中古パソコンを検討する場合は、CPUやメモリの名称だけでなく、使用するソフトへの対応、OSのサポート状況、バッテリーの状態、保証や返品条件も確かめてください。
購入候補を比較するときは、「今のパソコンで不足している条件」と「候補機種で満たせる条件」を対応させると、選ぶ理由を整理しやすくなります。
まとめ|使うソフトと今のPCを確認してから、必要な環境を整えよう
Webデザイン副業に必要なパソコンは、制作物、使用するソフト、学習方法によって変わります。
まずは、次の順で確認しましょう。
- 最初に取り組む仕事と、使用するソフトを決める
- 今のPCのOS・CPU・メモリ・GPU・空き容量を調べる
- 使用するバージョンの公式要件と比較する
- 制作・保存・書き出しを実際に試す
- 受講条件と総費用を確認し、必要なら購入を検討する
PhotoshopとIllustratorでは、今回確認した公式要件に、メモリの最小値8GBと推奨値16GB以上が示されています。ただし、メモリだけでPC全体の適性を判断することはできません。
既存のパソコンを使う場合も、新しく購入する場合も、必要な条件を一つずつ照らし合わせましょう。
働きながら学ぶ方は、教材やオンライン授業を併用する場面まで確認すると、自分の学習環境を考えやすくなります。
最初の一歩は、手持ちのパソコンの仕様を調べ、使いたいソフトの公式要件を確認することです。

