Webデザイン副業の応募先から「見積もりをお願いします」と言われたとき、何を確認して金額を決めればよいのでしょうか。
バナー1点、LP1ページといった制作物が同じでも、素材の準備、修正対応、納品形式によって必要な作業は変わります。
働きながら取り組む場合は、制作できる時間と、確認・修正に必要な日数も考えておきたいところです。
見積もりでは、金額と一緒に「何を、どこまで、いつまでに制作するか」を伝えましょう。
この記事では、Webデザイン副業の見積もりを作る前に確認したいこと、作業時間の整理方法、依頼者へ伝える例文を紹介します。
作業時間や例文は、説明用に作成した仮例です。一般的な制作時間や価格相場を示すものではありません。実際の仕事内容と、自分の制作経験に合わせて調整してください。
Webデザイン副業の見積もりは、金額と作業範囲をセットで伝える
見積もりは、依頼内容に対して、対応する作業と金額・日程を示すものです。
例えば「バナー制作一式」と書く場合も、サイズ、制作点数、納品形式、修正対応を添えると、依頼者と認識を合わせやすくなります。
クラウドソーシングでは、サービスの見積もり入力欄やメッセージを使って条件を相談する場合があります。見積書の提出を求められた場合は、必要な形式や項目を確認しましょう。
固定報酬制では、合意した制作内容を基準に考える
固定報酬制は、契約時に決めた制作内容や成果物に対して報酬を設定する形式です。
クラウドワークスの固定報酬制に関する公式ガイドでも、仕事内容・作業量・納期・報酬などを事前に相談して契約する流れが案内されています。
自分の作業が想定より長くなった場合も、時間が増えた分だけ報酬が自動で加算されるわけではありません。
そのため、見積もりを出す前に作業を分け、自分が対応できる内容と必要な時間を確認することが大切です。
契約後に新しい作業が追加された場合は、当初の範囲と照らし合わせ、金額や納期の変更を相談します。
見積もりを作る前に確認したいこと
仕事内容が曖昧なまま金額を決めると、後から必要な作業が増えることがあります。
まずは、納品物、支給素材、修正対応の条件を整理しましょう。
依頼内容を確認する質問の作り方は、「Webデザイン副業のヒアリングは何を聞く?バナー・LPの質問例」で紹介しています。決まった条件と未確定の内容を分けて整理し、見積もりの前提を確認する際にも参考にしてください。
制作物・点数・納品形式を確認する
最初に確認したいのは、何を何点制作し、どの形式で渡すかです。
同じ仕事名でも、担当範囲によって作業量は変わります。
| 仕事の種類 | 見積もり前に確認したい内容 |
|---|---|
| バナー制作 | サイズ、点数、別案やサイズ違いの有無、使用ツール、画像と編集データの納品 |
| LPデザイン | ページの長さや構成、PC版・スマートフォン版、使用ツール、原稿作成や実装の有無 |
| HTML/CSS修正 | 対象ページ、修正箇所、現在の制作環境、表示確認の範囲、反映・納品方法 |
例えば、バナー1点の依頼でも、複数のデザイン案やサイズ違いが必要なら、それぞれの作業を確認します。
バナー制作の副業で確認したい条件では、制作点数や納品形式について詳しく紹介しています。
LPの場合は、デザインのみか、コーディングや公開まで含むかを確認しましょう。
LPデザインだけの案件とコーディング込みの案件の違いも、担当範囲を整理する参考になります。
HTML/CSS修正では、募集名だけで対応できると判断せず、対象ファイルや修正内容を確認します。
必要なスキルの違いは、Webデザイン副業の仕事別に見るコーディングの必要性で整理しています。
納品準備に必要な作業を整理したい方は、「Webデザイン副業の納品はどう進める?データの準備と確認チェックリスト」も参考にしてください。完成画像・編集用データ・公開作業の違いと、データを渡す前の確認項目をまとめています。
原稿・画像の支給と、素材がそろう時期を確認する
文章、写真、ロゴなどを依頼者が用意するのか、自分が準備するのかによって、作業内容が変わります。
次の項目を確認しておきましょう。
- 原稿は完成した状態で支給されるか
- 写真やロゴなどの画像は支給されるか
- 画像の加工や切り抜きが必要か
- 素材探しや文章作成も担当するか
- 有料素材が必要な場合、費用をどう扱うか
- 必要な情報と素材は、いつ受け取れるか
素材の購入が必要な場合は、購入前に用途、費用、利用条件を確認し、依頼者と相談します。
また、素材の受け取りが遅れると、制作を始められる日も変わる場合があります。
「必要な原稿と画像を〇月〇日までに受け取ることを前提とした日程です」と、見積もりの前提を伝えましょう。
修正対応と追加作業の範囲を確認する
修正回数を決める場合は、何を1回として扱うか、どの変更まで含むかも相談します。
例えば、確認した初稿に対して、依頼者が修正希望をまとめて伝える一連のやり取りを1回とする方法があります。
これは取り決めの一例です。仕事の内容や相手の進め方に合わせて調整してください。
次のような変更は、当初の見積もりに含まれているか確認が必要です。
- 新しいサイズや制作点数の追加
- 決定した構成の大幅な変更
- 別のデザイン案の追加
- 納品形式や対応画面の追加
- 原稿や素材の大幅な差し替え
一方、自分の誤字や、合意した仕様への未対応まで、依頼者の追加依頼と同じように扱わないことも大切です。
修正回数だけで判断せず、変更の内容と理由を確認しましょう。
修正依頼を受けたあとの確認と返信は、「Webデザイン副業の修正依頼はどう対応する?確認項目と返信例」で紹介しています。誤りの訂正・合意内の調整・追加の相談を分けて、対応内容と日程を整理する際に参考にしてください。
Webデザイン副業の見積もりを作る4つの手順
依頼内容を確認できたら、作業範囲、時間、金額、日程の順に整理します。
最初から細かな価格表を作ろうとせず、今回の依頼に必要な項目を一つずつ書き出しましょう。
1.見積もりに含める作業を書き出す
まず、今回の金額に含める作業をまとめます。
バナー制作なら、次のように具体化できます。
- 支給された原稿・画像の確認
- 指定サイズのバナー1点の制作
- 合意した範囲での修正対応
- PNGとPSDの納品
- 納品前の文字・サイズ・表示確認
素材探しや別案制作を担当しない条件なら、そのことも伝えます。
「バナー1点」の中に含まれる作業が分かると、依頼者も見積もりを確認しやすくなります。
ランサーズの公式提案ガイドでも、具体的な作業内容を説明し、単価や納期などの見積もりを補足することが案内されています。
2.制作以外の時間も含めて見積もる
作業時間は、デザインしている時間に加え、確認、連絡、修正、納品準備まで考えます。
以下は、支給された原稿・画像を使ってバナー1点を制作する場合の、作業を分けるための仮例です。
| 作業 | 仮に見込んだ時間 |
|---|---|
| 依頼内容・制作条件の確認 | 30分 |
| 支給された原稿・画像の確認 | 30分 |
| デザイン制作 | 2時間 |
| 合意した範囲の修正対応 | 1時間 |
| 文字・サイズ・書き出しデータの確認 | 30分 |
| 連絡・納品準備 | 30分 |
| 合計 | 5時間 |
この5時間は、標準時間や完成を保証する時間ではありません。
実際には、制作内容、素材の状態、自分の経験、修正内容によって変わります。
見込みを立てるときは、過去の練習や制作で記録した時間を参考にしましょう。
まだ同じ種類の制作を完成させた経験がない場合は、先に自主制作で一連の工程を試すと、対応できる範囲を確認しやすくなります。
3.作業料金と費用、受取金額を確認する
金額を考える方法の一つは、見込んだ作業時間と、自分が設定する時間あたりの料金を使って、作業料金を仮計算することです。
作業料金の仮計算は、次のように整理できます。
作業料金 = 見込んだ作業時間 × 自分が設定する時間あたりの料金
これは、固定報酬の見積もりを考えるための方法です。時間単価制の契約になるという意味ではありません。
必要に応じて、案件固有の素材費などを整理し、依頼者と費用の扱いを相談します。
クラウドソーシングでは、提示する契約金額と、自分が受け取る金額が異なる場合があります。
例えば、クラウドワークスのシステム利用料に関する公式案内では、契約金額からシステム利用料を差し引いた受取金額の計算が説明されています。
見積もり入力画面で、金額の項目が何を指しているか、税込・税別の表示、手数料を確認してください。
受取予定額を見込んだ作業時間で割ると、作業負担とのバランスを考える材料になります。ただし、実際の作業時間が増えれば、その割合も変わります。
報酬の考え方は、Webデザイン副業の案件単価と収入の目安も参考にしてください。掲載時点の募集例を、現在の価格や自分の見積もり額としてそのまま使わず、今回の条件と照らし合わせましょう。
4.本業の予定と確認期間を踏まえて日程を決める
合計の作業時間が5時間でも、その日のうちに納品できるとは限りません。
本業の勤務時間や、依頼者の確認を待つ時間があるためです。
日程を決めるときは、次の順番で予定を置きます。
- 必要な情報と素材を受け取る日
- 制作を始める日
- 初稿を提出する日
- 依頼者に確認してもらう期間
- 修正する期間
- 最終確認と納品の日
休日にしかまとまった制作時間を取れない場合は、その予定も踏まえましょう。
「平日は夜に制作し、連絡は〇時以降に確認します」など、実際に守れる条件を伝えることが大切です。
素材の受領や確認の予定が変わった場合は、納期も相談する前提を共有しておきます。
見積もりを依頼者へ伝える例文
作業と金額・日程を整理したら、依頼者に確認してもらう文章を作ります。
サービスに指定の入力欄がある場合は、その形式を優先してください。
応募文全体の書き方は、Webデザイン副業の応募文の例文と送信前チェックで紹介しています。
バナー制作の見積もりを伝える例文
以下は、文章・画像が支給され、バナー1点を制作する依頼を想定した例です。
修正2回という条件も、この例文用の仮設定です。実際の作業量を確認し、自分と依頼者が合意できる内容に書き換えてください。
【 】は、自分の情報に置き換える箇所です。
ご依頼内容を確認し、以下の条件でお見積もりいたします。
■制作内容
【用途・掲載場所】向けのバナー1点
サイズ:【横幅×高さ】
使用ツール:【ツール名】■見積金額
【金額】円【税込・税別などの区分】■金額に含む作業
支給された原稿・画像を使用したデザイン制作
初稿提出後の修正対応2回
納品前の文字・サイズ・書き出しデータの確認
PNGとPSDの納品■修正対応
各回の修正希望をまとめてお送りいただく形を想定しています。
原稿や構成が決まった後の大幅な変更、別案・別サイズの追加は、内容を確認して別途お見積もりいたします。
当方の誤字や合意した仕様への未対応は、上記の修正回数と分けて対応します。■今回の金額に含まない作業
原稿作成、画像の新規購入、追加サイズの制作■日程
原稿・画像の受領:【〇月〇日まで】
初稿提出:【〇月〇日】
修正内容のご連絡:【〇月〇日まで】
納品予定:【〇月〇日】上記は、必要な原稿・画像が受領予定日までにそろうことを前提とした日程です。
素材の受領時期や作業内容が変わる場合は、納期を相談させてください。■連絡可能時間
【曜日・時間帯】内容をご確認いただき、変更や不明点がありましたらお知らせください。
条件に合意し、利用サービス所定の契約・仮払い手続きを確認後に制作を開始いたします。
見積もりを送っただけで、すべての条件に合意したことになるとは限りません。
相手から変更希望があれば、作業範囲、金額、日程を改めて整理し、最終的な内容を確認してから進めましょう。
Webデザイン副業の見積もりで迷ったときの対応
依頼内容がまだ決まっていない場合や、契約後に追加依頼があった場合は、状況を整理して相談します。
金額だけを先に変更せず、何が変わるのかを説明しましょう。
詳細が分からない場合は、前提条件を示す
必要な情報が不足している場合は、まず確認したいことを具体的に伝えます。
例えば「LPをお願いします」という相談なら、ページの構成や長さ、原稿の有無、対応画面、デザインと実装の担当範囲を確認します。
すぐに確定額を出せない場合は、次のような伝え方ができます。
現時点では【未確定の項目】が分からないため、確定のお見積もりには【必要な情報】の確認が必要です。
【仮の作業範囲】を前提とした概算は【金額または金額の幅】です。
詳細確認後、作業範囲・金額・納期を改めてご提示します。
概算を出す場合も、何を前提にした金額かを添えます。
内容を確認しても自分が対応できるか判断できない場合は、安易に引き受けず、対応範囲を絞るか、今回は見送ることも検討しましょう。
追加依頼が来たら、変更内容と日程を相談する
契約後に別サイズや別ページの制作を依頼されたら、当初の見積もりに含まれるか確認します。
追加作業にあたる場合は、次の項目を整理して相談しましょう。
- 新しく依頼された作業
- 当初の作業範囲との違い
- 追加の金額
- 納期への影響
- 変更後の納品物
例えば、次のように伝えられます。
ご相談いただいた【追加内容】は、当初のお見積もりの【合意した作業範囲】に追加となる内容です。
追加料金は【金額】、納品予定日は【日付】でご提案します。
内容をご確認いただき、変更条件への合意と必要な手続きの完了後に対応を進めます。
クラウドソーシングでは、メッセージでの相談に加えて、サービス上の条件変更手続きが必要になる場合があります。
クラウドワークスの固定報酬制の契約金額変更に関する公式案内では、条件変更リクエストに相手が同意すると条件が変更され、再度仮払いが必要になると説明されています。
利用するサービスの手順に沿い、変更内容を確認できる状態にしてから追加作業を進めましょう。
契約後の制作と修正の進め方は、Webデザイン副業の初案件を受注から納品まで進める方法で紹介しています。
まとめ|見積もりは、作業範囲を決めてから金額と日程を考えよう
Webデザイン副業の見積もりでは、制作物の名前だけで判断せず、実際に必要な作業を整理することが大切です。
- 制作物・点数・納品形式を確認する
- 原稿や画像の支給条件を確認する
- 修正対応と追加作業の範囲を決める
- 確認・連絡・納品準備も作業時間に含める
- 金額の表示と、手数料を差し引いた受取予定額を確認する
- 本業の予定と、依頼者の確認期間を踏まえて納期を決める
まずは、応募したい仕事を一つ選び、必要な作業を箇条書きにしてみましょう。
その作業を自分がどこまで担当できるか、どのくらいの時間が必要かを確認すると、理由を説明できる見積もりにつなげられます。

