Webデザインの副業で制作物を提出したあと、「もう少し目立たせてほしい」「イメージを変えたい」と修正を依頼されることがあります。
未経験のうちは、どこまで対応するべきか、追加の作業がある場合にどう伝えるか迷うかもしれません。
修正依頼を受けたときは、すぐにデザインを変える前に、変更する場所・目的・合意した作業範囲を確認しましょう。対応内容と日程を整理してから作業すると、認識の違いによるやり直しを防ぎやすくなります。
この記事では、修正前に確認したい項目、対応の手順、依頼者への返信例、制作前に決めておきたい条件を紹介します。
Webデザイン副業の修正依頼は、内容と条件を確認してから対応する
修正依頼には、文字や画像の調整、制作側の誤りの訂正、当初の依頼に含まれていなかった制作物の追加など、異なる内容が含まれます。
すべてを同じ扱いにせず、何を変更する依頼なのかを整理することが大切です。
まずは、次の項目を確認しましょう。
| 確認項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 対象のデータと場所 | どの案・どのページ・どの部分を変更するのか |
| 変更内容 | 文字、画像、色、配置などをどう変えたいのか |
| 変更の目的 | 読みやすさ、情報の優先順位、印象など、何を改善したいのか |
| 優先順位 | 必ず変更したい点と、相談したい点はどれか |
| 合意した条件 | 制作物、点数、修正対応などの条件に含まれるか |
| 希望日と確認者 | いつまでに必要で、誰が修正後の内容を確認するのか |
変更する場所と、改善したいことを具体的にする
「もっとおしゃれに」「もう少し目立つように」という言葉だけでは、依頼者が求める変更を判断しにくい場合があります。
例えば、バナーの「目立たせたい」が、商品名を大きくしたいのか、申し込みボタンを見つけやすくしたいのかによって、調整する場所は変わります。
次のように、対象と目的を分けて確認してみましょう。
- どの部分を、現在より目立たせたいですか?
- 最初に読んでほしい情報は、商品名・価格・特典のどれですか?
- 現在の案で、イメージと違うと感じる部分はどこですか?
- 参考画像がある場合、どの要素を近づけたいですか?
参考画像を受け取った場合も、色・余白・文字の大きさ・写真の使い方など、参考にする要素を具体的にします。
参考作品をそのまま再現するのではなく、今回の制作目的と支給素材に合わせて考えましょう。
制作目的や対象者を確認する質問は、Webデザイン副業のヒアリングについての記事でも紹介しています。
誤りの訂正・合意内の調整・追加の相談を分ける
作業範囲を確認するときは、「修正に時間がかかる」という理由だけで追加料金を判断しないようにしましょう。
例えば、支給された原稿を誤って入力した場合と、提出後に新しい原稿へ全面的に差し替える場合では、変更が必要になった理由が異なります。
次のように整理すると、確認するべき条件が分かりやすくなります。
| 内容の例 | 対応前に確認すること |
|---|---|
| 支給原稿と異なる文字を入力していた | 正しい原稿と、制作側で誤って反映した場所を確認する |
| 合意した範囲内で文字の大きさや配置を調整する | 希望する変更と、ほかの要素への影響を確認する |
| 当初の制作物とは別サイズの画像を追加する | 元の依頼に含まれるか、追加の制作物として扱うか確認する |
| 確認済みの構成から大きく作り直す | 変更理由、作り直す範囲、費用と日程への影響を確認する |
| デザインのみの依頼に公開作業を追加する | 担当範囲に含まれるか、自分が対応できる作業か確認する |
追加サイズや構成変更が、必ず追加料金になるという意味ではありません。最初の依頼内容や合意した条件によって扱いは変わります。
制作側の誤りを、依頼者による新しい要望と混同しないことも大切です。
条件が曖昧な場合は、一方的に判断せず、対応する範囲と費用・日程を相談してから進めましょう。
作業範囲の整理は、Webデザイン副業の見積もりについての記事も参考にしてください。
修正依頼に対応する3つの手順
修正対応は、依頼を受け取る、内容を確認する、修正して再提出する、という流れで進めます。
本業と両立する場合は、受け取りの連絡と、作業を完了できる日程を分けて伝えると、無理な約束を避けやすくなります。
1.修正点を一覧にして、確認待ちの内容を分ける
チャットやメールで修正依頼が届いたら、一つずつ一覧にまとめましょう。
同じ箇所への指示が複数ある場合は、現在の希望がどれなのか確認します。古い指示と新しい指示を、両方そのまま反映しないようにします。
整理する項目は、次のようなもので十分です。
- 対象のファイル名や案の名前
- 修正する場所
- 変更前と変更後の内容
- 確認が必要なこと
- 対応状況
変更する場所を伝える方法として、スクリーンショットに番号を付けたり、デザイン上にコメントを残したりする方法があります。
Figmaでは、デザインファイル上にコメントを追加し、その場所で表示・返信できます。依頼者とFigmaを使う場合は、Figma公式ヘルプ「Figmaでのコメントに関するガイド」で使い方を確認できます。
依頼者が使い慣れていないツールを無理に導入する必要はありません。双方が確認できる方法を選び、指示の記録をまとめる場所を決めましょう。
2.対応内容と再提出日を確認する
修正点を整理したら、対応する内容と、確認が必要な内容を依頼者へ伝えます。
例えば、文字の変更内容は決まっていても、差し替える写真が未確定なら、すべての修正を確定済みとして扱わないようにしましょう。
返信では、次の内容をまとめます。
- 今回対応する修正点
- 依頼者に確認したいこと
- 追加で受け取りたい素材
- 費用や日程の相談が必要な内容
- 再提出できる予定日
希望日までに対応できない場合は、対応できる日程を具体的に伝えます。
納期が近い場合でも、内容を確認しないまま「すべて対応できます」と約束しないことが大切です。
修正によって別の部分にも調整が必要になる場合は、その影響も伝えましょう。例えば、見出しの文字数が増えると、改行や周囲の余白も変わることがあります。
3.修正後のデータを確認して、変更点を添えて再提出する
修正が終わったら、依頼された内容と、実際に反映した内容を照合します。
制作ツールの画面だけでなく、書き出した画像や共有するデータも開いて確認しましょう。
- 指定された文字や画像へ変更されているか
- 修正していない部分が意図せず変わっていないか
- 文字の重なりや不自然な改行がないか
- 画像サイズや書き出し形式が合っているか
- 共有リンクから、修正後のデータを確認できるか
再提出するときは、何を変更したのかを箇条書きで伝えます。
修正前と修正後のファイルを両方残す場合は、「banner_v01」「banner_v02」など、違いが分かる名前にしましょう。この名前は一例であり、依頼者に指定された命名方法があれば、それに合わせます。
確認用のデータと最終納品用のデータも区別します。修正案を送っただけで、依頼者の確認まで完了したと考えないようにしましょう。
データの確認と共有方法は、Webデザイン副業の納品についての記事で詳しく紹介しています。
修正依頼への返信例
以下は、この記事用に作成した架空の返信例です。実際の依頼内容、合意した条件、自分の対応可能な日程に合わせて書き換えてください。
【】の部分は、実際の情報を入れる箇所です。そのまま依頼者へ送らないようにしましょう。
希望する変更が曖昧な場合
「目立たせてほしい」など、調整する場所や目的が分からない場合は、確認してから作業します。
ご確認ありがとうございます。
「もう少し目立たせたい」という点について、変更する場所を確認させてください。
今回は、【商品名】と【申し込みボタン】のどちらを、より目立たせたいご希望でしょうか。
また、最初に見てほしい情報がありましたら、併せて教えていただけますと助かります。
ご希望を確認したうえで、文字の大きさや配置の調整案をご案内します。
確認するときは、専門用語だけで質問するより、画像上の場所や具体的な情報を示すと伝わりやすくなります。
複数の変更案を新たに制作する場合は、その作業も対応範囲に含まれるか確認しましょう。
対応内容と再提出日を伝える場合
変更内容が具体的で、対応範囲も確認できている場合の例です。
修正内容を確認しました。
今回は、以下の内容を反映します。
・【商品名】の文字を大きくする
・【特典の説明】を指定の文章へ差し替える
・【申し込みボタン】の周囲の余白を調整する修正後の確認用データは、【月日・時刻】までにお送りします。
ほかにも今回まとめて確認したい箇所がありましたら、【月日・時刻】までにお知らせください。追加の内容によって日程に影響する場合は、作業前にご相談します。
再提出日は、変更の反映だけでなく、書き出し後の確認に使う時間も含めて考えます。
本業がある場合は、実際に作業できる時間を確認してから日程を伝えましょう。
当初の範囲を超える可能性がある場合
当初はバナー1点の制作だったところ、別サイズの画像も依頼された場合を想定した例です。
ご相談ありがとうございます。
今回追加でご希望の【別サイズのバナー】は、当初確認した【制作物・点数】に含まれるか、条件を確認させてください。
別サイズに合わせて、文字や画像の配置調整が必要になる見込みです。
追加制作として進める場合の対応範囲、費用、提出日を整理してご案内します。内容をご確認いただいてから、追加分の作業に着手する進め方でよろしいでしょうか。
費用や日程の条件がまだ決まっていない場合は、決まったように書かないことが大切です。
追加制作として扱うことが確認できたら、金額と日程を具体的に示し、合意を得てから進めます。
修正対応の行き違いを防ぐために、制作前に決めたいこと
修正対応を進めやすくするには、依頼を受ける段階で確認方法や条件を整理しておくことも大切です。
受注から制作・確認までの全体の流れは、Webデザイン副業の初案件についての記事で紹介しています。
修正回数だけでなく、対象と数え方を確認する
「修正2回まで」のような条件があっても、何を1回と数えるかが曖昧だと、認識がずれることがあります。
例えば、依頼者が複数の修正点をまとめて伝え、その内容を一度反映して再提出する流れを「1回」とする方法があります。
これは条件の決め方の一例です。修正回数の標準や、必ず採用するべきルールではありません。
制作前には、次の点を確認しましょう。
- 修正の対象は、どの制作物と作業か
- 何を1回の修正として数えるか
- 構成の変更や新しい制作物の追加は、どう相談するか
- 制作側の誤りの訂正は、どう扱うか
- 追加対応が必要な場合、費用と日程をいつ確認するか
回数だけ決めて、制作側の誤りも依頼者の変更要望も一律に扱うと、行き違いが起こりやすくなります。内容と条件を分けて整理しましょう。
すでに依頼が始まっている場合は、新しい条件を後から一方的に適用せず、当初の合意を確認したうえで相談します。
確認する人と、返答をまとめる方法を決める
依頼者側で複数の人が確認する場合は、異なる修正指示が届くことがあります。
誰が意見を取りまとめ、最終的な内容を決めるのかを確認しておきましょう。
Adobe公式の記事でも、確認・承認を行う人を明確にすること、フィードバックの期限を決めること、意見を一か所にまとめることが紹介されています。
参考:Adobe公式「How to get design approval from clients」(英語)
副業の小規模な制作でも、次のような確認は役立ちます。
- 修正の連絡を受け取る窓口は誰か
- 複数の確認者の意見は、誰が取りまとめるか
- どのデータを確認対象にするか
- いつまでに修正点をまとめてもらうか
- 確認が遅れた場合、再提出日をどう相談するか
返答が遅れたときに、自動的に承認されたと扱ったり、当初の日程のまま無理に作業を詰め込んだりしないようにしましょう。
未確定の内容と、すでに確認できた内容を分けて、残りの作業と日程を相談します。
未経験のうちは、自主制作で修正対応の流れも練習する
修正対応は、デザインを変更する作業だけではありません。
依頼内容を読み取り、質問し、対応範囲を整理して、変更点を説明するところまで含まれます。
自主制作でも、最初の案を作ったあとに変更条件を設定すると、この流れを練習できます。
変更の目的を決めて、修正前後を比較する
例えば、架空のカフェのバナーを制作したあとに、「価格より商品名を先に見せたい」という変更条件を設定してみましょう。
次の順番で進めます。
- 現在の案で、最初に目に入る情報を確認する
- 商品名を優先するために、文字の大きさや配置を考える
- 修正案を作り、元の案と比較する
- ほかの情報が読みにくくなっていないか確認する
- 変更した点と、その理由を文章にする
この例は、自主制作の練習用です。実際の依頼では、制作目的や依頼者の希望を確認してから調整します。
第三者に見てもらうときは、「どちらが好きですか」だけでなく、「最初に何が目に入りましたか」「文字が読みづらい場所はありますか」など、確認したい点を伝えてみましょう。
学習のために意見をもらう方法は、Webデザインの添削についての記事で紹介しています。
練習に使う作品を用意したい方は、副業向けのWebデザイン制作課題の記事も参考にしてください。
まとめ:修正依頼は、確認・合意・再提出の順に進めよう
Webデザイン副業で修正を依頼されたら、まずは変更する場所と、改善したいことを具体的にしましょう。
対応するときは、次の流れで進めます。
- 修正点を一覧にし、曖昧な内容を確認する
- 制作側の誤り、合意内の調整、追加の相談を分ける
- 対応範囲と、費用・日程への影響を確認する
- 内容に合意してから修正する
- 書き出したデータを確認し、変更点を添えて再提出する
依頼者の希望を受け止めながら、できることと確認が必要なことを具体的に伝えることが大切です。
未経験のうちは、自主制作でも修正前後の比較と説明を練習しておくと、実際の依頼で使う確認の流れを整理しやすくなります。

